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カトちゃんペッ! [医療]

                     

 まずは加藤茶さん、大手術から無事の回復、おめでとうございます。
 記者会見でのカトちゃん、ペッ!も決まってました。
 ところで、この急性大動脈解離という病気を知っていた人はどのくらいいるのでしょうか。石原裕次郎さんが手術を受けたとき(1981年、後にオウム事件でその名が知れた林郁夫医師が執刀@慶応病院)の病気がこの大動脈解離なので何となく聞いたことがあるという方もいるかもしれません。今日はこの恐ろしい病気について簡単にマジメに解説をしてみようと思います。

 「大動脈が急激に裂ける」と表現されても、多くの人にはなんだか恐ろしそうな病気だなということくらいしか伝わっていないような気がします。まず大動脈というのは、心臓から血液を送る”配管”の大元で、木に喩えるならば幹にあたる部分です。心臓の出口からまずは頭の方向へ伸び、首の少し手前で傘の柄のように逆J字型に反転し、背骨の左側に沿ってヘソの下付近までがこの”幹”に相当します(上図:Stone C, Borst H:Disectiong aortic aneurysm, in Edmunds LJ Jr(ed):Cardiac Surgery in the Adult, New York, McGraw-Hill,1997;p1125)。

 この大動脈の壁は外側から”外膜”、”中膜”、”内膜”という3枚の膜が重なってベニヤ板のように一枚の壁を作っています。内膜と外膜は比較的しっかりしている膜ですが、その間にある中膜は、まあ、弱い接着剤のようなものだと思ってください。

 常に血圧という負担を受けている内膜に何かしらのきっかけで亀裂が入り(いくつかの説がありあますが)、そこへ血液が流れ込み、弱い中膜のところで剥がされてしまうのがこの病気の正体です。血管の方向に沿って剥離は進み、ほとんどの場合このときに胸や背中の激痛を感じます。たまにそれほど強い症状でないことがあり、カトちゃんの場合もそうだったのかもしれません。

 患者説明用に自分で作ったアニメをアップしてみましたが、ブログ画面ではちょっと見にくい(醜い?)ようです。

            

 多くの場合突然の発症ですが、3人に一人ほどは病院に辿り着く前に命を落としてしまいます。コワいです。外膜だけで弱くなった血管の壁が破裂してしまうのが死亡の主な原因です。以前は原因不明の突然死といわれていたものにこの病気がある程度含まれていたと考えられています。

 病院に辿り着いても緊急手術をしないと1週間で90%ほどが破裂を起こして死亡してしまうのですが、手術も危険性が最大級に高いもので、2004年の国内の報告では手術をしても死亡率は12.5%でした。身体を20~25℃くらいまで冷やして心臓を止めた状態で手術をするので全身へのダメージも強く、回復に時間のかかることは今回のカトちゃんのように時々あるのです。「9割弱は助かるのか」と楽観は禁物です。死亡しなくても後遺症などを含めると危険性の数字はもっと高いものになるのですから。

 大体人口10万人あたり年間一人の患者が発生すると言われており、2004年の資料では国内でこの緊急手術は1600例余りとの報告がありました。全国で1600人ですから良くある病気とまでは行きませんが、その激烈な症状と重症度から有名人が患うとそれなりに注目される病気です。

 ・・・と病気の説明だけされても困りますよね。どうすれば予防できるのか? 残念ながら完全に防ぐ方法はまだありませんが、高血圧は大きなリスクです。健康診断で指摘された高血圧は決して放置せず、きちんと治療を受けましょう。


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コメント 1

あいあい

生活習慣とか、お食事とかを見直すしかないんでしょうか?
大きな病気も、毎日のちょっとしたことが引き起こすなんて。。。
あと、いい先生にあたらないと、救われないんですね
。。。なにかのときには、お願いしますm(__)m
by あいあい (2006-12-29 10:44) 

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