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手術もアウトソーシング [医療]

 7月31日号の”TIME”で取り上げていた”Outsourcing your heart
大前研一氏も以前から著書に書いたりしていたので、そうか、とは思っていたが実際にTIMEなどで記事になるところを見るとその流れは小さなものでないことが伺える。

 どんな事かと言うと、心臓などの手術が必要なアメリカ人の患者が、飛行機に乗ってタイ、インド、マレーシア、シンガポールといった東南から南アジアの国で手術を受けに来るというもの。どうしてわざわざそんなことをするかと言うと理由は ”安くて質も良い”からである。

 今までもアジアで手術を受けるアメリカ人というのはある程度いたらしいが、その多くはフェイスリフト(顔のしわ取り)や、お腹の脂肪取りなどの、美容目的で保険の利かない手術を安く上げるためだったようである。しかし最近は心臓の手術や人工股関節手術(歳とって骨が変形した場合など)など、重度の病気に対する大手術が増えて8割以上が美容以外の手術になっているそうだ。

 因みにどのくらい”お値段”に違いがあるのかというと、例えばクリントン元大統領も受けた心臓のバイパス手術の場合、アメリカで受けると自己負担が約60,000ドル(実質的費用はその倍以上)。それがタイで受けると12,000ドルで済むという(インドだと10,000ドル、シンガポールだと20,000ドル)。しかもこれは往復の航空料金、入院費、ホテル(一流のスイート)滞在を含めた料金だ。(ホテルというのは日本と保険制度が違うためで、海外では一般的に手術後容態が安定していれば数日で退院してしばらくホテルで療養するため)

 安いのはいいけど、”安かろう、悪かろう”では困る、と思うかもしれないが、これらの国では外科医はかなりのエリートのため、多くはアメリカやイギリスの大学で学び、十分な経験を積んでいる医師が結構いる。10年以上前でもインドなどの手術技術は優れていると私の周囲でも話題になった憶えもあり、安全性も含めてアメリカと同レベルである。

 約5分の1の支払いで済み、腕も確かなら利用者が増えるのも当然で、アメリカの企業の中には従業員に斡旋しているところもある。旅行代理店も目をつけて一大産業となりつつある。ただしこれは現在のアメリカの保険制度が全体として見た場合かなり破綻していて、医療費の患者負担は一部の高額所得者を除いて生活を直接圧迫しかねない状況も手伝っている。

 では日本にこれが当てはめられるのかというと、自己負担額は最近になって増加の傾向はあるもののまだ保険制度は有効に機能しているし厚生医療などの補助制度もあるので、すぐにアウトソーシングが進むとは思えない。しかし、高騰する医療費に歯止めをかけようとしてる国の思惑がどの方向に行くかによっては、近い将来アメリカを追いかける(戦後60年以上この繰り返しですね)ことになるのかもしれない。


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