So-net無料ブログ作成
検索選択

170万個の星を手作りで作る? [本]

 昨年セガトイズから発売されて話題になった「ホームスター」という家庭用プラネタリウムがある。ウチでも昨年12月に長男の誕生日プレゼントとして購入した。誕生日プレゼントといっても満1歳なので、何とか格闘の末に本人を寝かしつけたあとで両親が楽しむということになる。誕生日を購入の言い訳にしているようなものだ。
 このプラネタリウム、さすがに太陽が沈んで暗くなるにしたがって少しずつ星が増えていく、というような機能までは付いていないのだが、期待をそそる宣伝のせいか、買ってみて不満の残る人もちらほらいたようだ。しかし、このプラネタリウムのすごさはもっと別のところにある。

 「ホームスター」の製作に携わった大平氏は、昨年ドラマ化もされたが『プラネタリウムをつくりました』という本を記している。彼の手作りマシン「メガスター」は前代未聞の170万個の星の投影を成し遂げ、国際プラネタリウム学会で注目を浴びるまでの存在だ(そんな学会があることも驚きであったが)。

 小学校のときに蛍光塗料で作った星に始まるが、より進化したものを求めて次々とアイディアを練り、どんどんのめり込んでいくのだ。その徹底振りは誰でも舌を巻くほどで、幾度と無く壁にぶち当たるも全て自力で解決していく。知りたいことがあれば、誰に相談すれば解決するのかを虱潰しに探す。小学生が会社に電話相談すれば当然断られるわけだが、何度断られても次々と電話をかけ続けて何とかきっかけを作る。そのひたむきさが相手を納得させ、惜しみない協力をしてくれる。そうして貴重な人間関係を築き上げ、自らの能力の一部として機能させている。

 そのモノ作りの過程には、さまざまな仕事におけるノウハウが隠されている。
「無いものは自分で作る」
「判らなければ必要な勉強をして身に付ける」

 その繰り返しにより、電気回路からレンズの光学理論、機械工学にわたり幅広い知識を獲得していく。驚愕すべきは、その身に付けた贅沢なほどの知識や技能は、全てがプラネタリウムを作るという目的に一心不乱に邁進した賜物であるということだ。この本を読む限りにおいては当面、他の分野への応用も視野に入っていない。

 明らかに学校のテストで点数を取るための勉強からはかけ離れた能力だが、人間が形に残る何かを成し遂げていくためにどちらが大切かは、説明を要さないだろう。

 今に至るまでの舞台裏を知ってから天井に広がる無数の星や天の川を眺めると、今にも宇宙のかなたに引き込まれそうな感覚に襲われる。

プラネタリウムを作りました。―7畳間で生まれた410万の星 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。